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鉱山の町にワイナリーを!ゼロからぶどう園をつくる壮大なプロジェクト

秋田県の北部に位置する小坂町は、明治時代から鉱山の町として栄えました

秋田県の北部に位置する小坂町は、明治時代から鉱山の町として栄えました。

しかし戦後は採掘量の減少や若者の県外流出、企業の撤退などから徐々に鉱山は廃れ、鉱業に支えられてきた小坂町の産業も翳りが見えてきました。 

このままじゃいけない!そう思った小坂町の人々は、鉱業に代わる新たな産業を創り出すために立ち上がりました。

その中で出てきたアイデアの一つが「小坂町にワイナリーをつくろう!」というものでした。 

小坂町とその周辺には、様々な観光スポットがあります。そうした観光地を訪れた皆様に、地元で作られた本格的なワインを楽しんでほしい―そんな願いのもと、ワイナリーをゼロからつくる、小坂町の壮大なプロジェクトが始まったのでした。

小坂町鴇(ときと)地区は火山灰土壌で水はけが良くぶどう栽培に最適な環境

小坂町のぶどう栽培は、昭和63年(1988)利用していない農地活用のため、鴇(ときと)地区で始まりました

小坂町のぶどう栽培は、昭和63年(1988)利用していない農地活用のため、鴇(ときと)地区で始まりました。

鴇地区の標高は約300m、太古に十和田湖の大噴火によって堆積した火山灰土壌で水はけが良くぶどう栽培に最適な環境でした。 欧州系の品種にしないで、冷涼な土地でも栽培が可能な「山ぶどう」交配品種を導入しました。

さらに品種特性を活かすため、自根(一般的には接木)にこだわり栽培を行ってきました。

“山ぶどうの父”故・澤登晴雄氏から受け継いだぶどうの苗を小坂町に!

これまでワインと全く関連がなかった地にぶどう園をつくり、ワイナリーを開く、その道のりは決して楽なものではありませんでした

平成元年にスタートしたワインプロジェクト。これまでワインと全く関連がなかった地にぶどう園をつくり、ワイナリーを開くというのですから、当然ながらその道のりは決して楽なものではありませんでした。

何もかもが手探りの中、救いの手を差し伸べてくださったのが“山ぶどうの父”とも呼ばれる山ぶどう研究者、故・澤登晴雄(1916~2001年85歳没)先生でした。

病気に強く濃厚な色素の「山ぶどう」の特徴を活かし、安定した収穫量で質も高く風土に根ざしたワイン専用種を育成するため、生涯(約50年の歳月)をかけ、「山ぶどう」の品種改良を重ていらっしゃいました。 

澤登先生は私たち「小坂ワイン」の他にも、日本国内で数多くのワイナリー設立に尽力されています。

小坂町でしか飲めないワインをつくる―そんな私たちの思いに共感していただき、日本オリジナルの品種「小公子」をはじめとするぶどうの苗を譲ってくださり、その育て方を一からご指導いただきました。

小坂七滝ワイナリーはぶどう園(鴇地区)と隣接

小坂七滝ワイナリーは、平成29年10月、日本の滝百選にも選ばれた名瀑「小坂七滝」の向かいに完成しました

「山ぶどう」交配品種の栽培を始めて30年、いつかは小坂町にワイナリーを夢見て栽培を行ってきました。 

ぶどう園は、小坂七滝の上流の大地「鴇(ときと)」地区で栽培されています。ワイナリーから約2km(車で約4~5分)の距離、ぶどう園の中にワイナリーがある距離感になります。 

多くの農産物は、土壌によってその品質が大きく左右されますが、「ぶどう」は特に土壌の影響を受けやすい果物と言われています。収穫したぶどうを自然な状態で醸造させるワインはその土地で収穫されたぶどうの味(品質)が大きく影響します。 

ブドウが根を張るために非常に重要になるのが土壌です。ワイン用のブドウを栽培するには、一般的に水はけが良く、痩せた土地が最適とされています。また、ブドウの健全な生育にはミネラル分に富んだ土地が望ましいとされます。

火山灰が堆積してできた鴇地区は特にミネラル分を含んだ土壌で水はけもよく、そこで収穫されたぶどうを使った小坂七滝ワイナリーのワインも非常に品質のいいものになります。 

「ワインは、その国の気候風土から生まれるもの、その土地を写す鏡、その土地のブドウを使って、無理なく作られたものほど美味しいし健康にも良い」とよく言われますが、これが所以になっています。

日本オリジナルのワイン専用種「山ぶどう」交配品種を使用!こだわりの日本ワイン

近年「日本ワイン」はその上品で繊細な味わいが評価され、世界的に注目が高まっています

近年「日本ワイン」はその上品で繊細な味わいが評価され、世界的に注目が高まっています。それに伴い、様々な地域でワイナリーが建設され、ワイン醸造ブームになっています。

そんな中、ぶどう(原料)は海外品種を導入する産地が多いのですが、小坂七滝ワイナリーでは日本オリジナルのワイン専用種「山ぶどう」交配品種の「小公子(しょうこうし)」をベースに、4種類の国産「山ぶどう」系品種を主体としたワインづくりにこだわっています。

その口当たりは深く、しっかりとしたコクがあり、野性味ある豊かな酸味が特徴です。

 山ぶどう交配品種に最適な「酵母」の研究を開始

さらなる高みを目指すために、山ぶどう交配品種に最適な「酵母」の研究を初めています

山ぶどうは他のぶどうに比べて色素が濃厚で上質な酸味も兼ね備えた素晴らしい果実です。小坂七滝ワイナリーでは、ワインとしてのさらなる高みを目指すために、山ぶどう交配品種に最適な「酵母」の研究を初めています。

まだまだ、山ぶどうに交配品種に関しての認知度が低く、その研究も盛り上がっていないのが現状です。

しかしながら小坂七滝ワイナリーではこの素晴らしい品種、「小公子」をはじめとする「山ぶどう」系品種に最適な発酵技術が見つかることで、小坂町のワインはさらに進化できると信じています。

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